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2007年9月2日(日)付
日本経済新聞
【天神のカフェ】
パネルながめ“家族会議”
飼い主の都合で手放される犬や猫などの「里親探し」を手掛ける福岡・天神のカフェが開店から四年目を迎えた。
全国からの依頼を受けて四百組以上の橋渡しを務め、自治体より殺処分されている実情を伝えてきた実績が評価され、七月には運営団体が国の認定を取得。
ただ、未熟な飼い主からの仲介依頼も目立っており、同カフェは「命の尊さ」の発信を続けていく。
『犬猫に里親460組縁結び』
「小豆/2004年生まれ/明るくマイペース」。
福岡市中央区の大通りに面した「NPO カフェ de〔i〕(であい)」の掲示板には、新しい飼い主を待つ犬や猫の写真月パネル約30枚が並ぶ。
来店客は飲み物を片手に、一枚一枚じっくりと閲覧していく。
<<全国から相談>>
同店の丹波地美希店長(30)は「掲示板の存在を知らずに来た客が申し出たり、店内で親子連れが『家族会議』を始めたりと、引き取り手が決まるまでの経緯は様々。カフェならではの自由な雰囲気が縁結びを後押ししているのでは」と話す。
カフェを運営するのは動物の救済に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)「福岡どうぶつ会議所」。
2004年1月オープン以来、自治体が保護したり、飼えなくなったりした犬や猫の「里親探し」を続け、七月までに計四百六十組を仲介した。
当初、活動は福岡県内にとどまっていたが、スタッフが応募者宅を訪ねて飼育環境を確認する丁寧な活動ぶりがインターネットや口コミでじわじわと広がった結果、今では九州の他県や、関西、北海道からも相談が舞い込むようになった。
一方自治体に殺処分された犬や猫を悼む写真展を店内やイベント会場で開催するなど、命の尊さを訴えるPR活動にも力を入れてきた。
動物愛護団体「地球生物会議」によると、05年度に都道府県で殺処分された犬と猫は計三十六万四千匹。
どうぶつ会議所の島田隆一理事長(41)は「多くの命が絶たれている現実を知ってもらうことが救済の第一歩」と話す。
●国のお墨付き●
これらの活動実績が認められ、同会議所は七月、全国でも役七十団体という国税庁の認定NPO法人に選出。 認定団体への寄付は課税対象になるため、「活動資金が集まりやすくなるうえ、国のお墨付きは行政への要請行動にも生きるはず」(島田理事長)。
ただ、身勝手な理由で愛犬を手放す飼い主は後を絶たない。カフェには転居前日に来た飼い主が犬を押し付けて立ち去ろうとしたり、犬を入れたダンボール箱が店先に置かれたりした例もあるという。
島田理事長は「犬や猫に『癒し』を求めて購入し、世話に困るとモノのように捨てる飼い主が目立つようになった。ペットは人間が愛情を注ぐ相手で、すがるものではない」と訴える。
同会議所は三年後を目標に犬や猫の一時避難所設立を目指している。
2007年9月2日(日曜日) 日本経済新聞より
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